VR空間におけるイベントを主催するにあたって必要なものは何か考えてみる。

まえがき


1月にこの世界に足を踏み入れて、既に四半期が過ぎ去り、桜の花が散る季節となりました。
開始当初と比べると友人も増え、牛歩ながらも自分が形にしていきたいもの・残したいものを少しずつアウトプット出来ているかな?

同時期にVRChatを始められた人達を見ても、各々充実した心持ちで仮想世界と現実世界を行き来しているように思えます。
それぞれ関心を持たれている分野を見ても、例えばそれは誰かと集まって音楽を聴いたり、ワールドを巡って写真撮影を楽しんだり、3Dデータを弄って、プログラミングで新たな物を作りだしたり、ダンスを踊ったり、キャストとして接客に従事したり、誰かを寝かしつけたり、誰かに寝かしつけられたり、サイゼリ<ヤ>のレシートでパズルを作ったりと千差万別・・・。

中々現実では見つけられないジャンルの、同好の士を見つけるハードルの低さも、この世界の楽しさを後押しする要因のように思えます。フォローさせて頂いている方々によって構築されているSNSのタイムラインが荒れていないことも、充実した心情を証明しておりますね。私自身がネガティブな投稿をゾーニングしていることも理由の一つではありますが。

4月から新たに社会人になられた、という方も散見され、初任給で何を買われるか気になる所。環境が変わることによるストレスもありましょうが、アイサツとカラテで乗り切っていきましょう。

イベントを主催するには何が必要?

さて、企業・個人を問わずとにかくイベントの多さに目を見張るものがあるのがVRChat。つい先日はサンリオとのコラボレーションが実施されていました。無料で閲覧体験できるコンテンツ以外にも、入場チケットを購入してバーチャルアーティストのライブを鑑賞することが出来たり、VRChat発祥の団体がコラボイベントを実施したりと、非常に大規模なキャンペーンでしたね。
無料ライブの方は私もフレンドと参加しましたが、大企業の本気と言わんばかりの凄まじい演出に心躍りました。

個人単位で見ても、数年間にわたってゲーム内イベントを継続的に主催されている方が多々居らっしゃいます。イベントカレンダーを見ても同じ時間帯に数多くの予定が。内容の方も一言では言い表せないほど多岐に渡っており、その規模も大小さまざま。

1つのワールドに入場できる人数には上限があるため、複数のワールドインスタンス(会場)を立て、それぞれに責任者を置いて運営する、という方式を取られているものもあります。
丁度先日の日記に大量の写真を上げた「2024年1月同期会」もそれに当たりますね。当日は100名を超える参加者が集まっていたようです。

では、自分もそのようなイベントをメタバース空間で実施したい!と思い立った時に、一体どのような準備が必要になってくるのでしょうか。現実世界でのイベント開催における考え方を交え、順を追って考えてみましょう。

イベント内容の構想を練ろう

最終的なイベントの目的とコンセプトを決める

何をするためのイベントなのか。というメインの方向性を決めておかないと、何が必要で必要でないか判断が出来ません。イベントを主催したいと思った時点でッ、その時スデにぼんやりとしたイメージが出来上がっているはずッ。イメージを構成する要素を書き出していくことで全体像を形作っていきましょう。

市場調査を行うことでターゲットを絞る

市場調査なんて言うと大げさですが、例えば開催時間を何時にするかという点を一つ取っても、潜在的な参加予定者数は変わってきます。平日の昼間に実施する場合と、週末・土日・祝日に実施する場合とを比較しても、学生・社会人の参加率に影響しますね。
SNSのアンケート機能を使うことで複数ある候補を一つに絞り込むなど、意思決定における参考材料として調査結果を活用しましょう。

他の類似事例から学ぶ

過去に前例が無いのはこれまで誰も思いつかなかったような画期的な事例か、それとも敢えて先人達が選択しなかった道か。
大体は後者。模倣から生まれるオリジナリティも確かに存在するので、まずは焦らず先行事例を掘り下げていきましょう。
事例が見つかったら実際に足を運んで現地のライブ感を味わってみることも大事。体験に勝る経験は無いのです。だから都心部ばかりでイベントを開くのは勘弁してくだせぇ。

当日までのスケジュールを調整し準備を進めよう

開催日の決定

他イベントを見てると、比較的前々から開催の告知してる印象を受けます。毎週〇曜日に実施!といった形式も多いので、イベントの規模感や継続事業かどうかといった点によっても変わってくるのかな。
ただ、最初の告知から開催日まで日が空いてしまうと参加を検討されていた方がイベントの存在を忘れてしまうことも考えられるので、都度のリマインドは忘れずに。

会場予約


会場によっては1年前から予約が埋まっていることもあり、苦い思いをしたニンジャです。
VRChatにおけるワールドの使用に関しては、規約の部分に「ユーザーコンテンツを公開設定することにより、これらのユーザーに対してVRChatの規約とプラットフォームの機能によって許可される限りにおいて非独占的ライセンスを付与する」旨の表記があるため、基本的には規約の範囲で自由に利用して良いものとされます。

しかしながらインターネットは治外法権が適用されるお気持ちの世界。規約に沿った使い方であっても、思わぬトラブルに巻き込まれることも予想されます。ワールド使用の許可を取りに行ったことが逆にトラブルの火種になる、なんて事例も耳にしたのでこれもう何が正解か分かんねぇな。

可能な限り自分でアセット等を購入して公開したワールドを使用する、というのがリスク管理の面においては最も無難な所でしょうか。

マネタイズ面においても、fanbox等の外部サービスへの登録に協力頂いたお礼にワールドへポスターを掲示する、といった方法を取られている事例もあるため、何にせよ可能な限り自分の手の届く範囲にコンテンツを置くことは重要なことなんだと思います。

8.3. Limited License Grant to Other Users. By Posting or sharing User Content with other Users of the Platform in a public portion of the Platform, or by setting any of your User Content to public, you grant those Users a non-exclusive license to access and use that User Content as permitted by these Terms and the functionality of the Platform.

VRChat利用規約より引用

イベントカレンダーへの掲載

https://vrceve.com/qa/
上記サイトを通してイベントの登録を行うと反映されます。一度登録してしまうと修正が効かない点は要注意!
あらゆる時間帯に多くのイベントが実施されておりますが、昔は平日には一切イベントが開催されておらず、土日にちらほら予定が入るという時代もあったそう。
ユーザー数が増えていることが主な原因と推察されますが、活発なコミュニティを見るとなんだか安心感を覚えます。

各種SNS・ホームページ等での告知やハッシュタグの設定

情報発信が無料に出来るようになるなんて良い時代が来たなぁと。プラットフォームに応じて主要となる客層、年齢層が明確に異なります。
こ洒落た飲食店だと今の時代インスタの活用はほぼ必須化されていますが、誰でも使えるようになったことで情報がそこら中に氾濫している印象を受けますね。
ハッシュタグは「#ニンジャ」といった風に、頭にハッシュ記号を付ける形のラベル。イベント用のタグを作成することで、同じ「#ニンジャ」のタグを付けた感想などの投稿が追いやすくなり、次回の改善点等に活かすことが出来ます。

各SNSにおける主要客層(主観100%)
Twitter(現X):ゾンビ
Instagram:若者、主婦層
Facebook:中年層

告知用ポスターの作成

デザインなんてやったことないよ~!という場合も大丈夫。Canvaとか手軽に綺麗なポスターが作れる無料のサービスもありますし、最悪外注すればヨロシ。

参考:Canva
https://www.canva.com/

告知用ポスターの掲示依頼

地域のお店に足を運んでポスターの掲示依頼をする、古き良き足で稼ぐ手段ですね。VR空間においてもワールドによってはポスターが掲示されており、前述の事例のように有料での掲載や知人からの依頼で載せる場合もあるそう。


昨年はメタバース空間への広告配信サービスのプレスリリースが発表されるなど、新たな可能性を感じさせる分野ですね。一度料金表について問い合わせてみた際の返信が来ないので、実際に機能しているかどうかは不明ですが・・・。

友人への声掛け

この辺も現実の地続きだなぁとしみじみ思う部分。来てくれる、来てくれないという点は別にしても、こういうこと始めたんだ~という話の種にはなりますね。伝えることで思わぬ協力が得られるかもしれません。

関係各所への許可取り

警察へ道路使用許可を取ったり、消防署へ申請を上げたり、建設許可を申請したり、保健所に営業許可を・・・。

世の中は数多くの許可申請で溢れていますね。これらの事例はVR空間内では一切必要の無い物ですが、それでも権利者へ確認を取る必要がある場面というのは出てくるもの。すぐ思い浮かぶのがメタバースにおける楽曲の使用についてでしょうか。JASRACが管理している楽曲に関しては、インターネット上で音楽を利用する場合と同様のライセンスを行っているようです。


DJやアイドルなど、メタバース上で音楽活動をされている方にこの辺りの詳しいお話を伺ってみたい次第。やっぱ藪蛇かもしんないからやめとこう。

参考:JASRAC メタバースでの音楽利用について
https://www.jasrac.or.jp/information/topics/22/221226.html

組織運営について考えよう

資金調達について考える

自己資金、融資、補助金、出資、クラウドファンディング。ひとえに資金を用意すると言っても様々な手段が用意されています。個人の活動においてはクラウドファンディングで協力者を募って企画を行うという事例も見られますね。

配信者で融資を受けて活動を開始した、という事例は聞いたことはありませんが、そこまで覚悟がキマってたら逆に恐れおののいちゃうかも。借りる時点で返す目途が立たないなら、それは借りるべきでは無いのです。

融資を受ける場合は銀行・カードローン・各自治体の制度・日本政策金融公庫・信用保証協会等で借り入れを行うことが可能。スタートアップにおける融資に関しては、金融公庫が2024年4月1日から新創業融資制度の支援内容を拡充しているため一見の価値あり。

補助金については大きく分けて国・県・市単位で存在しており、募集期間や内容もまちまち。必要書類は基本的に国の様式を参考にしたであろう物が多いなという印象。

独自の団体による補助も存在しており、変わり種では奨学金の返済支援も。大体新社会人とかUターンを予定している学生とかが対象になっていたりするので気になる学生さんは調べてみて下さい。

予算編成

予算案 入場料や物販有りのイベントではなく、収益を発生させるつもりが無い場合は支出科目にのみ意識を向ければOK。ニンジャは汚い俗物なので、最終的には何らかの形で収益を発生させることを目標にしたい派。

Boothで何か買いそろえることもあるかと思いますが、やはりもっとも消費が激しいリソースは時間ですね。
必要な機材は高価ですが、一度買ってしまうと会場費や人件費など高くなりがちな部分のコストを大きく抑えられるのがVRの魅力。
現実世界においても仕入れやランニングコストが発生せず、外注に依存する必要が無い業種が存在しますが、やはりそういった所は安定感があります。

組織編成

複数人のマンパワーが必要になる場合に考えないといけない点。
前述のような複数インスタンスを立てて実施するイベントや、イベントキャストを雇用して実施するイベント形態が例として挙げられます。

逆に一人で実施する場合には考慮する必要はありません。

複数人に跨る組織を編成する際には連絡・命令系統や権限、責任を明示することが重要です。
しかし、最終的な判断は代表まで話を上げて決めるのか、各責任者単位で対処して報告を上げるのか、事例によって都度求められる対応が変わってきます。

1000回遊べるRPG(ロールプレイングゲーム)のようですが、この辺はゲームと同様に組織としての経験値を貯めてレベルを上げる作業が必要です。

総会の実施

・総会と称される規模の物でなくとも活動報告や改善案についての話し合いと共有はあった方が次回以降のトラブル回避に役立つよね、というお話。一人なら脳内で反省会と称した総会を開きましょう。

最悪の事態に備えよう。想定されるトラブルの洗い出し(人的要因・環境要因)と規約の整備

人的要因

不慮の予定、体調不良、事故による欠員、参加者同士や主催側と参加者間のトラブル(VR関係だと使用アバターのデータサイズ、音、スキンシップ、武器周りとか?解釈や許容ラインが人によって変わりやすい部分がこの世界の火種ですね)。


当日確実に何かしら起こると想定して、ひとまずトラブル発生時の交渉を有利に進めるために「事前に書面として禁止事項を開示、通達しておくこと」が何より重要です。


事例は他のイベンターの方から話を聞くことが出来れば経験則からのアドバイスを頂けるので、不案な点は事前に確認しておきましょう。ニンジャも協力しますよ。

環境要因

機材トラブル(トラッカーとか安定感無くて一番怖い)。後述のリハーサルが必要な理由も環境の事前チェックが目的の半分を占めるかも。可能な限り本番を想定して動くことになりますが、不意なソフトウェアのアップデートが発生して予想外の事故を起こすことも・・・。ヘッドセットと予備バッテリーの充電はしっかり、30分前には機材チェックの完了を済ませておきましょう。

当日進行次第の作成

所謂カンペ。チャートを守るものはチャートによって守られるのだ。

当日配席図の作成・動線の確認

基本的に指定席は無い物と考える。ただ、来場者が座る所とかイベント実施場所への行き方(事前の申請から、VR空間内のどの場所でやる予定かなど)が分かり辛いと離脱に繋がるため、来場者の気分になってストレスになりそうな部分を改善していくことが肝要です。

当日タイムテーブルの作成

こちらもカンペに近しいもの。VR空間内では現実の4倍の速度で時間が進むため「朝日・・・昇っちゃったね・・・」みたいなことにならないよう調整を。

イベントだと数十分おきに人や場所を変える事例もあるので、おおよその時間配分に目星を付けておきましょう。

リハーサル

前述の内容を考慮しつつ、可能な限り本番に近い状態でのリハーサルを実施しましょう。

イベント終了後の対応

開催のお礼・アフターフォロー

関係各所へのお礼参り、コンゴトモヨロシク・・・。

出席してくれたキャストへ謝金を出す事例も有るとか無いとか。参加頂いた方の感想を、前述のハッシュタグを活用してSNSで追うのも楽しいかもしれませんね。1月同期会の主催さんも終了後にタグを付けて投稿されたユーザー全員にお礼のメッセージを送っててスゴイ・テイネイと度肝を抜かれました。

クレーム対応

程度の大小はありますが、いくら入念に準備をしたとしても想定外の出来事はほぼ100%発生します。

予想が付かなかった部分でトラブルが発生し、参加者へ何らかの不利益が発生してしまった場合は誠心誠意謝罪しましょう。原因の特定と再発防止策を練ることが大事。

請求回りの清算

家に帰るまでが遠足なら、最後の支払いを終えるまでがイベントです。対応に遅れが出ないよう注意。

次回開催の告知(継続事業の場合)

ここまで実践したあなたには多くの経験値が蓄積されたことでしょう。この経験を生かして次のイベントを開催しても良いですし、事業から撤退してもオッケー。やり切ったという事実が何よりも大事なことなのです。

おわりに

メタバースにおけるイベント運営が現実と共通する部分、しない部分と色々ありましたが、やはり人が関わる部分についてはどちらも変わらないなと感じております。

それとは対照的に、実態としての会場が必要だったり、参加者の移動が必要だったりする部分はボタン一つで解決出来る点が仮想空間の強みでしょうか。
ニンジャのような地方の里出身者にとっては、これまで一度も足を運ぶことが無かったような体験が自室から味わえる機会に恵まれて嬉しい限りです。

結びになりますが、この記事を読んだことがきっかけで、1人でもイベントを開催したいだとか、メタバースを体験したことが無いけど興味を持ったのでやってみようとか、そういった感想を抱いてくれた方が出てくれましたら何よりです。


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